だからこそ、レティに言われたとおり、他者に出来る限りの正義を尽くし、少しでも味方を増やそうと考えていたのだろう。
今度は、認識できる全てのものが敵になるかもしれない。
「今は私がいます、彰が望めばずっとそばにいます」
カナははっきりと、そう言った。
彼女の性格らしい、照れ隠しの様な回りくどい愛の告白。
言った後、顔を真っ赤にして、返事を望むように、小さな手で彰の制服の裾を掴んだ。
その言葉は何故だが、どこかで聞いた感覚がある、そして続けざまに。
「好き、私は、彰が好き……だからずっとそばに居たい」
――――7年前
駅を二駅乗り継いだ所にある、遊園地、あまり大きくは無く地元の人しか来ないようなこじんまりとした場所だ。
時刻は午後5時過ぎ、ちょうど空がオレンジ色にそまり始めた頃、
パステル色のアトラクションや園内の建物は、オレンジ色が混ざり、どこか寂しげだ、
遊園地は6時で閉園するため、人もまばらになり、皆ゆっくりと今日の思い出を語りながら閉園口へ目指して歩いていた、
珍しく母親が遊園地に連れて行ってくれることになったので、はしゃいで遊んでいたら、途中から母親が疲れてしまい、母は喫煙所で休んでいた。
「適当に遊んでおいで、ママここにいるから」
幼い二人で遊園地を回るが、どこも身長制限のせいで乗れなくて、仕方なく身長制限の無い、観覧車に乗る。
「すごいね、彰君、いっぱい、いっぱいおうちが見えるよ」
「……そうだね」
はしゃぐ、女の子に対して静かに空だけを見ていた。
「つまらないの?」
心配そうに、顔を覗き込んでくる。
「つまらないよ、外を見ても何もわからないんだ、誰も僕は知らない、誰も僕を知らない」
「私がリアってことは知ってるでしょ?」
意識を取り戻して、彼女は一番最初に自己紹介をしてきた、
瀬戸口リア、オレンジがかった茶色のセミロングに両脇に小さなリボンをつけた、彰が最初に覚えた人。
「でも、また忘れちゃったらどうしよう」
悲しそうな顔をしていたのだろうか、元気付けてくれるように、リアは優しく微笑んだ。
「大丈夫だよ、例え彰君が何度忘れても、私はずっと一緒にいるから」
「リアちゃん……どうしてそこまで、僕には何にも無いんだよ?」
「だって、私は彰君が大好きだから、それ以上一緒に居る理由なんていらないよ」
「好き?」
「うん、だけどきっとこの記憶も消されてしまうの、だから……約束して、もしこの記憶を思い出したら、
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