えっと、今は待機の状態なんだっけ？ 沈黙が生じる。 大牙さんは感慨なさげにずるぺたしてるけど、リッキーさんは懐かしそうに見回してる。 制服の白いシャツの袖も、ズボンの膝もたちまち泥水を吸い込んだ。だって大好きな子が横にいるんだから それでも…それでもやっぱり潤一の話す敬語が私の心をズキズキとさせていく 自分の気持ちを言いたい。雨の運転って苦手で」 「これだけ降ってるとさすがに俺も…」 コンビニに止めるとさっきまで他愛も無い話をしていたのに車の中がワイパーの動く音だけが響く もう潤一の顔が見れない…見てしまったらますます潤一の事が好きになってしまう… 告白するって決めたのに、私は潤一の事が好きって言うと決めたのにいざとなったら何も言えない…私は臆病者だ… 私なんかより潤一の方がよっぽど大人…私なんかと釣り合わ……ない…… 「あ、み、美穂さん,
ディーゼル 財布？」 「いるけど、どれが本命かわからん」 「最低だな…」 「向こう側からすれば不倫なんだし、お金もらえるからいいんじゃね？」
「その様子じゃ、どうせあの人絡みだろ」 「ちっ、分かってるなら傷口広げるようなことするなよ」 「別にそんなつもりはないんだがな」 心底心外だと言うように肩を落としてみせる。 前後屈をしてちょうど前屈みになっている女子生徒の後ろ姿に目が留まる。 そのときが蘇った聡は、カップをローテーブルに置くと、両腕を胸の前で固く組んだ。 17歳のときの恋は確かに『通過地点』だった。朋哉のお兄さん」 「うん、昨日クラスの女子が焼いてくれたんだよ。これは手作りですか？ 「奈津」 トモ兄はそう呼んで、いきなり私の腕を掴んで引き寄せた。 「奈津は、誰にも渡さない」 奈津じゃない、夏凛だ、と言おうとした。それも準備できる。 役割がはっきりしているから、仕事をしていてわくわくするくらい、どんどん回っていく。
そうしてて」 「わかった。」 「ううん。
